OUTBACKプロジェクトは、メンタルヘルスに不調を抱えている人たちを様々な手法でサポートする団体です。その柱となるアクターズスクールは、パフォーミングアーツ(主に演劇など)によって表現力、発信力を高めるためのプログラムを創造していきます。そして演劇を通して不調から回復し、社会で活躍していくためのサポートプロジェクトを展開します。

OUTBACKプロジェクトは、KP神奈川精神医療人権センターの関連事業として立ち上がり、独立しました。現在の日本の精神医療システムには問題が多く、医療者と患者が対等な関係で治療が行われているとは言い難い状況です。そのような中で、患者は病からの回復をどのように目指せばいいのかを考えた時、患者自身が自らの思いや意思を明確に伝え、自信を回復していくことが必要不可欠なのではないかと考えます。

メンタルヘルスに不調を抱えている人の中には、病そのものの苦しみだけでなく、社会からの偏見、差別の眼差しによって、より一層生きづらさを抱え込んでいる人が多くいます。彼らが生きづらさを超えて社会の中で活躍していけるよう、パフォーミングアーツを通じて社会に問題を提起し、問い直していきます。

■OUTBACKアクターズスクール

OUTBACKアクターズスクールは、精神的に不調を抱える人たちが、演劇活動を通して、自身の生き方、社会のあり様を問い直し、表現力、発信力を身につけていくことを目指します。

2021年4月に開校。プロの俳優を講師に招いてワークショップを積み重ね、2021年11月7日の第1回主催公演は超満員札止めの大成功を収めました。

メンタルヘルスに不調を抱えている人たちの多くは、病気による不調だけでなく、家族や職場でのストレスを抱えやすかったり、世間から差別、偏見の眼差しを向けられたりと、困難、マイナスと思われる経験をたくさんしています。

しかし、演劇ではそういった一見マイナスと思われるようなこと、経験こそが原石となり、エネルギーとなります。ほんの少しの勇気、好奇心、そして体ひとつさえあれば、その原石は輝き始めるのです。

「OUTBACK」とは、オーストラリア英語で「未知なる土地」を意味します。まだ見ぬ世界を切り開いていく、未知なるものに挑戦したいと思う人々が集まるスクールを目指しています。挑戦してみた先に、うまくいくこともあれば、うまくいかないこともあるかもしれません。けれども、「やってみる」ことでしか見えない景色、得られない経験がきっとあるはずです。

参加条件:メンタルヘルスに不調を抱えている人、その家族、支援者など

参加費:500円(1回あたり)

場所:反町地域ケアプラザなど横浜市内の施設

<その他>

■演劇プログラムの開発、普及啓発活動

■出版事業

■講演事業

中村マミコ(中村麻美)/OUTBACKアクターズスクール校長

横浜市出身。早稲田大学第一文学部在学中よりBankART1929に関わり、街中の空間を芸術活動に生かす方法などを学ぶ。2005年から世田谷パブリックシアターに勤務し、演劇ワークショップの企画制作や、教育普及事業を担当。2012年以降、横浜市内の福祉事業所で支援職として働きながら、芸術活動を障害者支援に幅広く生かす方法を模索。メンタル不調を抱える人たちと劇をつくったり、福祉事業所を1日だけディスコに変えたりする企画を成功させた。「演劇ワークショプファシリテーター」として、フィリピンで演劇普及活動を行うなど海外でも活動。2020年KP神奈川精神医療人権センターの立ち上げに関わる中で、OUTBACKアクターズスクールの構想を組み立て、現在に至る。

佐藤光展/OUTBACKアクターズスクール副校長

医療ジャーナリスト&フォトグラファー。KP神奈川精神医療人権センター顧問&Webサイト編集長&イベント統括。某福祉事業所生活支援員(潜入取材中)。
神戸新聞社会部で阪神淡路大震災や神戸連続児童殺傷事件を取材。2000年に読売新聞東京本社に移り、2003年から15年間医療部に在籍。菊池寛賞、日本新聞協会賞、ファイザー賞などを受賞した看板連載「医療ルネサンス」の200回を超える執筆や、数々のスクープで「医療の読売」を支えた。2018年1月に独立。著書は、新潮ドキュメント賞最終候補作の『精神医療ダークサイド』(講談社現代新書)、『なぜ、日本の精神医療は暴走するのか』(講談社)など。
プロのスキューバダイバーでペーパー船長。日本100名城巡りを2年で達成。フルマラソン完走メダルを大量収集中。
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