宇都宮病院に勝訴した元警察官・江口實さんインタビュー/拉致・監禁の流れを生々しく証言/繰り返される医療保護入院の悪用/佐藤光展のメンタルヘルスあれこれ
神奈川県警や富山県警に勤務した元警察官の江口實さん(83)は、2018年12月12日、富山県内で男4人にいきなり拉致されて栃木県宇都宮市に運ばれ、報徳会宇都宮病院に強制入院(医療保護入院)させられました。そして、江口さんは全く認知症ではないのに「老年期認知症妄想型」と診断され、37日間、この病院に閉じ込められたのです。この間、抗精神病薬(統合失調症の薬)などの服薬を強いられて身体は衰弱、退院時にはまともに歩けない状態になっていました。
今回の動画は、江口さん自身が当時の体験を生々しく語る貴重なインタビューです。簡単に悪用できてしまう医療保護入院制度の深刻な問題も浮かび上がります。
江口さんは2022年に報徳会宇都宮病院と、強制入院に関与した3人の医師(1984年に発覚した宇都宮病院事件で悪名を轟かせた石川文之進さんら3人)を相手に民事訴訟を起こし、宇都宮地裁は2025年5月29日、被告らに対して合計311万7863円の賠償を命じました。この判決は6月半ばに確定し、江口さんは勝訴しました。
撮影・佐藤光展