新人スクール生アンちゃんの「癒し」ダンスで盛り上がる/11月公演に向けた物語づくりも開始/OUTBACK第4回、第5回ワークショップ
6月25日と7月2日の両日、OUTBACKアクターズスクールのスクール生たちは猛暑にも負けず、反町地域ケアプラザ(横浜市神奈川区)でのワークショップに集まりました。新人スクール生のアンちゃんによる「癒し」のダンスタイムなどを取り入れ、また新たな方向から表現力を磨いていきました。
7月2日の第5回ワークショップは、講師のまえちゃんによるリズムのワークから始まりました。4グループに分かれて、それぞれのグループに「バナナ」「マンゴスチン」「さくらんぼ」「パイナップル」という言葉を割り振り、ポーズを考えます。そして、マエちゃんの掛け声に合わせて言葉を声に出し、テンポよくポーズをとって、そのリズムを楽しみました。OUTBACKアクターズスクールのドキュメンタリー映画を撮影中の飯田基晴監督も巻き込み、大盛り上がりの時間になりました。
続いて、アンちゃんによるダンスタイム。アンちゃんが普段通っている作業所で作ったダンス作品を、スクール生たちに振り付けました。作品のタイトルは「祈り」。振り付ける前に、作品のコンセプトを語ってくれました。
「メンバーのひとりが深い悲しみの中に入り込んでしまいました。その悲しみの中には、人を受け入れることが出来ないという悲しみもありました。そのような悲しみを抱えるメンバーに仲間が寄り添おうとして集まります。人を受け入れることが出来ないメンバーの思いを受け止め、その悲しみの重さを感じて、一緒に歩いていけるように……」
振りはとてもシンプルで、スクール生たちはすぐに習得し、アンちゃんが用意した音楽に合わせて繰り返し踊りました。精神疾患を発症するほどの辛い経験もしてきたスクール生たちは、ダンスのコンセプトに自然と共感できたようで、みんなで踊ったダンスは、まさに「癒し」でした。11月の公演でも、何らかの形でアンちゃんのダンスを活かしたいと考えています。
休憩をはさんで、物語のシーンを作るワークをしました。グループに分かれて、「桃太郎」「人魚姫」「鶴の恩返し」の1シーンを作りました。各物語のある瞬間を切り取り、ストップモーションで再現することから始めて、そこにセリフなどを加えて短い劇に仕立てていきます。このワークは去年も行ったのですが、劇に仕立てるスピードが明らかに早くなっており、参加2年目のスクール生たちは、体を動かしながら考える習慣がついてきていると感じました。
そして、この日の最後のワークでは、11月公演でモチーフとして使う予定の、世界的に有名なある物語の一場面を劇にしました。スクール生を3グループに分けて、それぞれに違うあらすじを書いた紙を渡し、各グループで寸劇を作りました。それをみんなで見合った後、講師のまえちゃんやけいさんのアドバイスをもとに作り変えました。作り変えの時間は10分ほどでしたが、見違えるほど良くなり、スクール生たちの柔軟性を感じることができました。
次回は7月17日。暑さは増すばかりですが、スクール生たちの意欲、集中力もどんどん増しているようです。演劇づくりはもちろんのこと、音楽づくり、入院患者との交流などなど、新しいことにチャンレジしながら、秋に向けて力を高めていきます。
(撮影・中村マミコ)