熱い思いを詩や身体で表現した第3回レッスン/ますます盛り上がるOUTBACKアクターズスクール
OUTBACKアクターズスクールに、個性豊かな新メンバーが続々と集まっています。しかも、胸に熱い思いを抱いている人ばかり。6月20日、横浜市内で行われた第3回レッスンには過去最多の25人が参加し、熱気と躍動感あふれる回となりました。
(OUTBACKアクターズスクール校長 中村マミコ)
レッスンはストレッチから始め、次に「カウントアップ」というゲームをやりました。数字を「1」から言っていくシンプルなゲームですが、10人前後で構成したグループ内の誰とも示し合わせることなく、誰とも被ることなく、数字を順に言っていかなければなりません。
例えば、AさんとBさんが同時に「2」と言ってしまうとアウト。また「1」からやり直しです。同じ人が数字を連続で言えない決まりもあります。周りの空気を読む慎重さと共に、大胆さも求められます。実際にやってみると意外に難しいのですが、メンバーたちはすぐに「10」まで到達し、集中度の高さを感じられました。
次にやったのは、「Give me a shape & space」。講師が出した「コップ」「花」などのお題を、体を使って表現するワークです。
演劇は、舞台の上に俳優が存在するだけで成立します。極端なことを言えば、舞台美術はなくてもよく、そこに体さえあれば何でも表現できるはずなのです。そこで、自分たちの体が持つ可能性を実感してもらうために、このワークを取り入れました。
1人での表現からグループワークへと広げていき、他者との共同作業によってはじめて生み出される表現の面白さを感じてもらいました。今回のメンバーは、考え込んで立ち止まることなく、直感で体を動かしていける人が多かったように思います。
最後に、グループワークの集大成として、短いパフォーマンスを作りました。まず、テーマに沿って個々に詩を書き、それを解体、再構成してグループ詩を作りました。個々に紙に書いた詩を文節ごとに切り取ってパーツとし、グループ全員の詩のパーツを寄せ集めて、意味があるような形に再構成したのです。
出来上がったグループ詩は、音やダンスを追加したりしながら、グループ全員で読み上げました。これは、フィリピンのP E T Aという舞台芸術団体が編み出した「ドラトラ」という手法です。
それぞれが書いた詩の言葉や、再構成したグループ詩の完成度が素晴らしく、ひとりひとりの生活の一旦が垣間見えるような、体温の感じられる詩が多く生まれました。グループごとのパフォーマンスも、講師たちの想像をどんどん飛び越えていく、大胆な創意工夫をたくさん見ることができました。
OUTBACKアクターズスクールのレッスンは、回を重ねるごとに、メンバーの「何かやってやるぞ」という意気込みが高まっています。7月からはいよいよ、本格的な作品づくりを開始します。
撮影・佐藤光展、中村マミコ