鎌倉・アルぺなんみんセンターをOUTBACKメンバーが訪問/リヴィさんの濃厚スリランカティー楽しむ/いずれは一緒の舞台に

内戦などで祖国を離れ、日本で難民認定申請中の外国人たちが身を寄せる国内最大のシェルター「アルぺなんみんセンター」(鎌倉市十二所)。6月27日午後、OUTBACKアクターズスクールのメンバー5人(タク、マルティネス、新ちゃん、中村校長、佐藤副校長)が同センターを訪れ、居住者やスタッフと交流を深めました。

祖国を追われて日本に救いを求める人たちの中には、家族や友人を内戦で失ったり、難民認定率が異様に低い日本で強いストレスにさらされ続けたりすることで、PTSDやうつ病などの精神疾患を発症する人が多くいます。そのためOUTBACKアクターズスクールでは、難民の人たちも交えた演劇ワークショップを行ったり、演劇公演を行ったりして発信力を高め、一緒に元気になっていきたいと考えています。

この日の訪問は、そのための第一歩。栃木県足利市から同センターに移り住んで約2年になるスリランカ人のリヴィさんに、本場の紅茶を淹れてもらいました。茶葉をたっぷり使った濃厚なミルクティーで、とてもおいしかったです。

リヴィさんは約20年前、スリランカで要人警護中に銃撃を受けて負傷し、回復後、日本に逃れてきました。しかし、まだ難民認定を得られていません。そのため働くことができず、神奈川県外に出ることも厳しく制限されています。リヴィさんもPTSDを患って通院中ですが、自身の体験からスリランカの近況などまで、詳しく教えてくれました。リヴィさんはカレー作りも得意で、難民認定を受けて働けるようになったら、スリランカカレーの店を開きたいそうです。

アルぺなんみんセンターは、イエズス会が修道院の土地と建物を提供し、2020年4月に開設されました。NPО法人アルぺなんみんセンターが全国からの寄付をもとに運営し、30の個室を備えています。現在は、ウクライナ避難民を含む13人が暮らしています。

以下の太字部分は、佐藤副校長が2021年12月、鎌倉朝日新聞に書いた記事の一部です。日本で暮らす難民の人たちの状況は、精神疾患を持つ人たちが置かれた「無知に基づく差別」の状況と非常に似ていることが分かります。

難民とは、内戦や紛争、政治的意見の対立などで、自国にいると命の危険にさらされたり、迫害を受けたりする恐れがあるため、他国に逃れた人々を指す。避難先で暮らすには、それぞれの国で難民認定を受ける必要があり、欧米諸国の認定率は約20%~50%となっている。ところが、日本の認定率は1%程度と極端に低い。

祖国には戻れず、助けを求めた日本では難民と認められない。そのような外国人の中には、在留資格を失って入管施設に収容される人も多い。日本の支援者らとつながって「仮放免」を受け、入管施設から出られた人でも、難民認定を受けるまでは就労を禁じられる。そして、認定されぬまま5年、10年と月日が経ち、路上生活に追い込まれる人もいる。

「認定率の異様な低さをはじめとする難民への冷たさは、日本人が難民を知らな過ぎることに起因している」。同センター事務局長の有川憲治さんは、そう指摘する。

有川さんは、大学在学中の1980年代にインドシナ難民支援に関わり、以後も東京のカトリック施設などで働きながら難民支援を続けてきた。有川さんたちの努力で、多くの難民が救われた。しかし、難民に対する日本社会の無関心や冷たさは変わらなかった。

「知らないから怖がる。知らないから避けたがる。難民の人たちともっと交流できる場を作らなければ」。有川さんの長年の思いが形になったのが、同センターだった。開設以来、ずっと泊まり込んで支援活動を続けている。

同センターで暮らす外国人の中には、医師や教員、政府要人警護などの経験者もいる。その境遇ゆえに顔や名前は明かせないが、様々な技能や趣味、特技を持っている。そこで同センターは、IT企業カヤックと鎌倉市が取り組む地域通貨クルッポ(まちのコイン)の加盟スポットに登録。300クルッポの利用で、スリランカ人のリヴィさんから本場の紅茶の入れ方を学べる講座などを開講し、人気を集めている。

また毎週土曜日には、センターの敷地内に作った畑で、入所者と地域住民が一緒に農作業を行っている。2021年秋には、サトイモをたくさん収穫した。このほか、難民について考えるセミナーの定期開催や、鎌倉市内の小中学校との連携強化などを計画している。

有川さんは「このセンターは単なる避難場所ではなく、苦境を乗り越えてきた難民たちが、日本で生きていくための意欲や力を取り戻す場にしたい。地域の方々の協力で、木工作業の見習いや介護研修の受講を始めた人もいる。こうした地域とのつながりを更に強めて、鎌倉から日本を変えていきたい」と話している。

OUTBACKアクターズスクールも、難民の人たちが日本で生きていくための意欲や力を取り戻す一助になりたいと考えています。アルぺなんみんセンターを今後も定期的に訪問し、交流を深めていきたいと思っています。

たっぷりのセイロン茶葉を牛乳のみで煮出す
濃厚なミルクティーをカップにたっぷりと注ぐリヴィさん
リヴィさんの体験を聞きながらミルクティーを味わうOUTBACKメンバーたち

(撮影・佐藤光展)

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